環境負荷の少ない有機農法技術

和歌山で有機農業の普及にいち早く乗り出した「紀州大地の会」は、EM(有機微生物群)の技術を活用し、より環境負荷の少ない有機農法技術の研究や普及、水稲・果樹・野菜など広範囲にわたる有機栽培農家の育成・啓蒙活動に従事しています。また廃棄物や生ゴミを活用した堆肥やぼかし肥料の製造販売、環境浄化活動、セミナーやフォーラム、研修会の開催などの環境教育活動に至るまで、流通販売や消費者グループとの関わりも含めた多岐にわたった活動を展開し、食の安全・環境の改善に携わっています。平成18年6月には、その活動の功績を認められ「わかやま環境大賞」を授与されるなど、地域に深く根付いた活動が高く評価されています。2001年には意志を同じくする農家が「紀州大地の会」として、圃場(ほじょう)の有機認定を取得。以来、和歌山県下広域にわたって有機生産物の生産・流通にも従事しています。

EM栽培とは

EM(有用微生物群)を利用して土壌改良をし、無化学肥料で、作物を栽培する方法です。EMを構成するこれらの有用な微生物は広く自然界に存在し、古来より先人たちが利用してきた、醗酵合成型の微生物です。Effective Micro-organisms(イフェクテイブ マイクロオーガニズムス)の頭文字で有用微生物群の意味です。 EMは多収かつ農薬不使用無化学肥料の農業を実現するため、琉球大学農学部の比嘉照夫教授により土壌改良剤として開発されました。開発以降これまで自然農法や有機農法実践者に支持され日本国内はもとより海外にまでその利用者が広がっております。

現在EMは海外80数カ国に広がるに至っております。EMのめざすものは安全・快適・ローコスト・高品質そして持続可能な社会です。EMの統括機関であるEM研究機構を中心にして私たちEMグループの一員は、EM技術という安全、快適、ローコスト、高品質そして持続可能な技術を用い環境保全と健康などに貢献していきたいと考えております。今EM技術は農業からはじまり食糧・環境・健康・工業など確実にその応用が広がっております。

また、いくつかの市町村においては地域住民による草の根的市民活動にEMが利用され、社会的弱者の社会参加と連動し、ほほえましい成果を上げております。例えば生ごみのボカシ化によるゴミの減量運動や生じる生ごみボカシを使って街の花いっぱい運動、各家庭において米のとぎ汁を使用して作るEM活性液と河川の浄化など手軽に環境保全に役立つ手法として利用されております。

無煙炭化器による炭焼